昨年までFIA F2に参戦し、今季はアルピーヌのリザーブドライバーを務めるジャック・ドゥーハン。4月に行なわれたF1日本GPでも来日し、事前のPRイベントにも多数参加して日本のファンと交流した。
ドゥーハンの父は2輪レース界のレジェンドで、ホンダのバイクを駆り世界選手権で5連覇を成し遂げたミック・ドゥーハン。そんな父の背中を見て、幼少期はダートバイクなどに乗っていたというが、5歳の時に足を骨折する怪我をしてしまった。そこからはF1界のレジェンド、ミハエル・シューマッハーの助けもあって、カートの世界に入っていったという。
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ドゥーハンはカートを卒業して2018年に4輪レースにステップアップ。2019年にはアジアンF3で笹原右京とチャンピオンを争い、ランキング2位となった。同選手権では日本の鈴鹿でもレースが開催されたが、実はその時、意外なドライバーとの交友関係が生まれていた。それが日産のスーパーGTドライバー、ロニー・クインタレッリだ。
「ロニーと出会ったのは5年前。僕がアジアンF3を戦っている時に日本で出会ったんだ。彼はそこでテストをしていて、僕を連れてガレージを案内してくれた」と話すドゥーハン。今回の来日時にもクインタレッリの案内の下でNISMOのガレージやファクトリーを見学するなど交流が続いており、レースについて深い話をすることもあるようだ。
アジアンF3の好成績を引っ提げ、2020年からFIA F3にステップアップしたドゥーハンは、2年目にランキング2位を獲得して2022年からFIA F2にフル参戦開始。当初はレッドブル育成ドライバーとして活動していたが、この年からレッドブルを離れ、アルピーヌアカデミーの一員となった。
そしてドゥーハンはF2参戦1年目からランキング6位に入ると、2年目の2023年は後半戦のフィーチャーレースで3勝を挙げるなど存在感を増し、ランキング3位となった。F1参戦に必要なスーパーライセンスの発給要件も満たし、F1まであと一歩というところまで来ている。
そんなドゥーハンは今季、アルピーヌF1リザーブドライバー以外のレース活動をしていない。ただ、当初は日本のスーパーフォーミュラに参戦することについても議論があったようだ。
「ああ、確かにそういった議論もあった」とmotorsport.comに認めたドゥーハン。しかしながら、アルピーヌとしてはリザーブドライバー業に専念してほしいという結論に至ったようだ。
「アルピーヌは僕にF1に残って欲しいということだったし、F1マシンでたくさんテストをして欲しいとのことだった」
「今年は10日間で5000kmもF1マシンで走っている。これはスーパーフォーミュラに参戦していたら出来なかっただろうね」
とはいえ、“GT-Rオタク”を公言するなど日本ともゆかりのあるドゥーハンは「スーパーフォーミュラは素晴らしいカテゴリーだから出たかったんだけどね。日本が大好きだし、世界でも特にお気に入りの場所だからだ。だから来年こそF1で鈴鹿を走って、その埋め合わせができると良いなと思っている」と語った。
今季のスーパーフォーミュラには昨年のF2チャンピオン、テオ・プルシェールとランキング4位の岩佐歩夢が参戦しているが、ドゥーハンをはじめ多くのF2ドライバーがスーパーフォーミュラに関心を寄せていたことが明らかとなっている。
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